酒仙のおはなし 第八話

 

 

「くだらん話ばかりしてるんじゃない!」

 

「くだらないものですが、おひとつどうぞ・・・。」

 

 

「くだらん」って何がくだらんのじゃと?

 

これも酒が語源じゃ。

 

 

第七話でおはなししたのじゃが、

 

酒どころの灘・伏見。

 

もちろん江戸でも酒は造られておった。

 

 

しかし、灘の酒に比べ江戸の酒はまずかったそうじゃよ。

 

そこで灘や伏見から酒を運ばせた。木樽に詰めての。

 

 

京都や大阪は都があって、文化が栄えていた。

 

江戸に対して、京都や大阪の関西圏を上方(かみがた)と呼んだんじゃよ。

 

 

当時は酒に限らず、遠方より江戸に持ち込むことを「下りもの」と言った。

 

灘・伏見でも、品質の劣る酒は、地元で呑まれていた。

 

江戸には売れない。

 

つまり、下らぬ酒。「くだらん酒」と言うわけじゃ。

 

 

一方、江戸ではそんな高品質の酒に及ばぬため、関東の酒を

 

「くだらぬ酒」と呼ぶようになったんじゃ。

 

 

それからはどんな物にでも、あまり良くないと言う意味で、「くだらん」を使うようになった。

 

 

酒は何かと言葉をも創りながら醸されてきたんじゃな。

 

 

「くだらない人!」と、言われないように、酒は適量をな。

 

 

 

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