さてさて、何かつまんで味わいをかえるかのー。
旨い酒のあては、あまり腹にたまらんものが良いよのー。
おっ、そうそう。ここ白山市の美川のフグをご存知かな?
あの猛毒を持つと言われるフグじゃよ。
昔からじゃが、白山市の美川ではトラフグは獲れんかったんじゃよ。
では、何で美川のフグが有名なのかと言うと・・・
あの有名な北前船の寄港地として栄えていたからなんじゃ。
美川では小さなゴマフグは取れるが、大きなトラフグは北前船が九州から運んできていたのじゃよ。
猛毒を持つフグの身は、免許を持った料理人が、上手に料理すると大丈夫なのじゃが、
美川では、猛毒がある卵巣をぬか漬けにして食しておるんじゃ。
塩漬け1年、糠漬け1年することで、無毒になってしまう。不思議なことじゃがな。
この加工方法は、日本中でも白山市の美川でしか許されておらんのじゃよ。
しかし、科学が進んだ今でも、どうして無害になるのかは、わかっていないそうじゃ。
そうそう、わしはそのフグの卵巣の糠漬けを、さらに酒かすに漬け込んだ、
「フグの卵巣の粕漬け」が大好物でなー。
ここ金谷酒造店の蔵にある「山廃仕込みの古酒」にピッタリなんじゃよ!
なんと言うか、お口の中でものすごく幸せな味わいになって・・・・・。
おー!たまらん!
ちょっと厨(台所)にいってくるよ!粕漬けがあるかもしれん。
またきておくれ!
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